ピン留め

「みずほ銀障害の全貌判明、懸案はCIO人事」という記事がITproで連載されていて、
全部で30の不手際が重なり震災後のATM取引停止に繋がったことがまとめられている。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110607/361134/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110607/361135/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110607/361136/


30も不手際があると、事前の準備で防げたもの、その場での判断ミスなど問題のレベルも様々。
本当はレベルごとや問題の理由ごとに切り分けたほうがいいのだろうが、
この記事では時系列順に取り上げている。


この記事を見たときにみずほの問題と東電の様々な問題は
根は同じなのではと思っていたけれど、それが何なのか言葉がなかなか見つからなかった。
何人かの考えを聞いて、
これは目標のピンが「自己保身」に留められていることが原因なのでは?と思った。


現場レベルの社員から役員に伝わるまでにとんでもなく時間がかかるとか、
目の前で発生している問題を小さく見積もってしまうのはこれが原因なのではないかと。
「問題を食い止め、事後報告なら減俸もないだろ」とか、
「大変な問題と言うと、怒られそうだから小さい問題として報告しよう」など
現場で考えていたであろうことが透けて見えるようなミスが多い。


その場のミスだけでなく、「上限値設定を23年間見直さず」っていうのも、
「変更して何か問題があったら困るから、問題が起きてから考えよう」的な
思考停止だったのではと思えてくる。


ピン留めする目標がずれると、その場その場での判断がどんどんずれていくことが
こういった事例を見るとよくわかるなあと思う。
日々の仕事で「自己保身」がピン留めされていないか気を付けないといかないと思った。