FREEという恐ろしい世界

FREEのプロモーションって先攻逃げ切り型の死屍累々な世界だなと改めて感じた。
最近のFREE KOEEEEEな話。
ひとつはToy Cameraアプリなど、
すごくすてきなiPhoneのカメラアプリをたくさん作っているfladdictさんの今日のつぶやきより。

http://twitter.com/fladdict/status/22888685947:twitter:title:140

僕の大好きなアプリの一つ、TiltShift Generatorの無料版が
appstoreに出てるなぁと思ったら20万もダウンロードされたらしい!
すごい!けど、その分、広告で稼げたのは日本円にすれば17000円ぐらいで
これはいったい何なのだろうと思ったという事例。


もうひとつはみんな大好きRADIOHEADが今度はライブ映像まで無料でダウンロードさせるという
太っ腹企画をやっているよと言う話。

Radioheadが、’09年8/23にプラハで行ったライブの模様を、特設サイトでフリー配信しています。これは、ファン撮影のフィルムを編集したもので、音声はバンドから提供されているため、高クオリティーで楽しめます。サイトが重いのと、Megauploadを使用しているので、ダウンロードには、ちょっと手間取りますが、お手軽に楽しみたい方には、YouTubeという選択肢も用意されています。
http://www.iloud.jp/video/radioheadlive_in_praha.php

全部ダウンロードすると、貧弱な我が家の回線では一週間以上かかりそうなので
手っ取り早くiPhone版ダウンロードしましたがすっばらしいですね。
でも、普通に考えてこんな素晴らしいライブ映像を配布されたら、
他のコンテンツに触れる時間がそれだけ奪われるわけです。
それがテレビなのか、TSUTAYAとかで借りてきたDVDなのか、
タワレコとかで買ったライブDVDなのか、ブックファーストで買った本なのか奪われる選択岐はたくさん。
RADIOHEADは超傑作「In Rainbows」というアルバムを無料でもダウンロード出来る形式にしたりと
いろいろチャレンジしているバンドではあるんですがここまでやられるときっつーと思います。


クリス・アンダーソンの「フリー」には有料利用者を5%獲得することで、
黒字になったモデルがいくつか載っていたりとかしてわーっと盛り上がったりとか、
Skypeがついに上場して有料利用者が6.5%と大変教科書通りな売り上げでビビったりとか

Skype会員登録者数は全世界で5.6億人、2010年6月の利用者は1.24億人だった。うち有料利用者は8.1百万人であり、利用者の約6.5%にあたる。有料利用者の年間利用料は平均96ドル(約8200円)とのこと。
http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/08/skype-991a.html

したんだけれどこれはごくごく限られた成功事例でこれをマネしようとすると、
単に売り上げが減りまくってFREEなプロモーションのコストを回収する前に死ぬよ?
ってことだと最近思っている。


で、最初に先攻逃げ切りうんぬんって書いたのはさらに続けてfladdictさんがつぶやいていたのが興味深くて

http://twitter.com/fladdict/status/22893480072:twitter:title:80

すごいお金持ってる会社が無料でSUGEEEEアプリを無料で出したら、
アプリつくって儲けてこ!みたいな会社がバッタバッタ潰れていくよねって話。
バッタバッタ潰れた屍を踏みつけながら有料のアプリとか出せばコストも回収出来るのかもですが
そんな恐ろしいことできるのは既にお金たくさん持ってたりとか、
ダウンロードしたいと思わせるだけの信用度なりを持っている人たちになるわけで。


RADIOHEADもこういった取り組みをする前に「OK COMPUTER」とか「KID A」とか歴史に残る傑作を作って、
溢れんばかりの知名度があるから出来るわけで同じようなことを無名のバンドがやったりすると
手間賃ばっかりかかってダウンロード数が友達の人数以下みたいな悲しいことになりそうです。


ということで、世間でのFREE評価もそろそろ固まってくるころだと思うので先に自分の思いをつらつら書いてみました。
またこんど!