twitterは選挙に必要なのか?

 与野党は26日、夏の参院選に向け、選挙期間中のホームページの更新を認めるなどインターネットを利用した選挙運動の解禁で足並みをそろえた。
 しかし「参院選での解禁ありき」の議論は否めず、公正性の確保など問題点は山積しており、本格的な解禁は今後の課題として先送りされた。
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/news1/20100527-OYT1T00793.htm

ということで、夏の参院選ではネット選挙が一部解禁になるようです。
ただし、メールとtwitterの使用は禁止されているということで一部で話題になっています。

 ツイッターの使用を禁止するということは、政治家が、政治信念や政策を国民に訴える有効な手段を自ら放棄したことに他ならない。
 それはまた、有権者が自分の国の代表を選ぶにあたって、無料でありかつ容易な手段であるツイッターという「道具」を奪われたことも意味する。
 日本の政治家は何を考えているのか。世界中で何が起きているのか、ぜひともツイッターを通じて知ってほしい限りである。
ネット選挙を解禁しても、ツイッターは許さなかった日本政治の限界

そもそもブログとtwitterを差別することが間違っている。技術的にはまったく同等のものであり、twitterには認証アカウント制度もある。疑問があれば直接本人に尋ねることができる。そもそも中傷ビラなどリアルの世界でも存在するものだ。誰がやっていたのか知らないけど、私も選挙に出たときにライバルの亀井さんの地元の三次市の市民会館で講演したときだけ講演会場の外でひどい内容の中傷ビラが撒かれていた。これは事実である。尾道市三原市などではそんなことはなかった。
ネット選挙のこと

twitterが制限される理由として挙げられるのは、
・海外の選挙戦では既に使われている
・技術的にブログとtwitterでどう違うのか(当初はミニブログとか呼ばれてましたが。。)
っていうのが多いように思います。
当然、ソーシャルメディアを使ったサービスを会社の軸に置きたいような企業は
twitterが選挙で使われるほうが思っているでしょうし、
誰が何を言っているかは今回の話でも大事なように思います。


で、こういった意見がある中僕はtwitterの選挙利用は反対です。メールも反対です。
理由をいくつか書きたいと思います。
1.twitterは強制的に意見を見せられるサービスであること
選挙中嫌なことって何だろと考えてみると、僕は2つあります。
1つは朝から晩まで選挙カーが回って名前を連呼している残念な選挙活動
2つめはこの党に入れてください的な勧誘電話
この2つだけはとにかく嫌でアホかと思っています。


多くの人たちはtwitterを使うことで候補者と投票者が政策やらを話合うと思ってるんでしょうが
僕は最終的にはそんな使われ方をしないと思います。
なぜ、上杉さんやホリエモンtwitterで長々と上記のような意見を書かないのでしょうか?
twitterというタイムラインが流れていくシステムの特性上、
議論をぶつけ合うような使い方は限りなく難しいと思います。
自分の意見を長々と伝えようとすれば、その意見は途切れ途切れになり、
全てを相手に伝えることが難しいということを彼ら自身わかっているからではないかと思います。


だとすると、どういった使い方を期待しているのでしょうか?
例えば上杉さんはこのような事例を用いていますが、

キャメロン首相、グレッグ副首相のふたりの若い候補者は当然のことながら、二人の夫人たちも猛烈に“つぶやく”ことによって、ネット世代の支持を急速に取り付けたことは無視できない。また、ツイッターに書き込む43歳の両候補者の砕けた様子が、有権者の親近感を誘ったのは想像に難くない。
ネット選挙を解禁しても、ツイッターは許さなかった日本政治の限界

これって駅前で一人一人握手しているのを、ネット上に置き換えただけだよね??
つぶやきという名のエア握手じゃん。
こんなことのためにtwitterを使うのか??


これだけならいいですけど、自分のタイムライン、フォローした人の中で、
特定の政党をプッシュする人がいて日に何十回もその政党のことをつぶやいていたら?
それも地上で選挙カーが大声で叫んでいたのがネット上に置き換わっただけですよね??
自分でフォローした人じゃないかとか、そんなやつブロックすればいいじゃん
と言われればそれまでなんですが、
例えば僕みたいにフォロー数が少ない人が@で話しかけられたら何かな?と思ってみてしまう。
そんな面倒なことが選挙期間中どの政党もやられたら正直疲れてしまう。
これが一点目の理由。


2.正確な情報もそうでない情報もアホみたいに広まるツールであること
昨日のユニクロラッキーラインのパスワード流出疑惑に関する盛り上がりはものすごいものでした。
結果的にidなどの公開情報は漏れていて、パスワードは漏れていない、
ただしパスワードの認証方法が甘かったという結論だったように思います。


じゃあ、今回のこの盛り上がり結局誰が最初に言い出したんですか??
結局パスワードは流出してないですけど、誰か責任取るんですか?
また、そのつぶやきをRTした人たちは本当に正しい情報だと裏付けを取ってから
それでもみんなに知らせなくてはいけないと思って広めたんですか??


こういった意識があまりにないまま、使われているツールである以上、
ネガティブキャンペーンには恐ろしく使いやすいツールだと思います。
ネガティブな情報ほど人は無反応に伝えてしまうからです。
じゃあそういったつぶやきの流布が何かを生み出すんでしょうか?
僕は何も生み出さないと思います。



じゃあ、僕はネットの選挙利用に反対かと言えばそうではないです。
むしろ賛成です。
ただ、別にブログがあればそれでいいじゃん?と思ってしまいます。
ブログはコストもかからず、文字数もほぼ無制限で、
RSSなんかを使えば更新したかどうかもチェック出来ます。
また、自分の選挙区の人だけチェックしておけば誰に投票するかは事足りるでしょう。
ブログが解禁になったことはすごく大きいと思っています。


ただ、日本の選挙が参院選というのもtwitterが生かしにくい理由だと思うんです。
オバマさんが使ってたのも、イギリスの事例も首相、大統領選挙みたいな
自分の国のトップを決める選挙での事例じゃないですか。
国民の興味の焦点がその争いに絞られている。
ただ、参院選って選挙区いくつあんだよって話だし、
党同士どちらが優れているかも考えないといけないし、
ひとつのサービス内で話合うテーマがあまりに多すぎる。


だから、国民投票の首相選(ってあるのか??)とか大統領選には面白いツールだと思うけれど
日本のちまっと各地で行われるような選挙には合わないんじゃないかなと思います。