「空気人形」を見てきた!

川崎チネチッタにて、是枝裕和監督の「空気人形」見てきました。

http://www.kuuki-ningyo.com/index.html
僕は「誰も知らない」は見ておらず、「歩けども、歩けども」は見たことあるぐらいの是枝ファン。
広告はうっすらと感じていた通り、goenの森本千絵
森本節全開ですが、これはこれで合っているのでよいと思います。


最初見終わったときの感想は、
「見る人の性別によって、感想がかなり変わるだろうなー」と思いました。
ネタバレにならないように書きますが、終盤のあるシーンの有無を別にしても
僕にとってはかなりの「グロさ」を感じました。
男である自分からしたら、ありとあらゆるシーンが痛い。
あ、これ俺じゃん!痛痛痛痛痛痛!という感じ。
最初の板尾が人形を「抱く」シーンも映画として切り取るとこういう風に映るのかと、
何かすごく心が痛みました。
とはいえ、これは自分の性についての考え方に関する問題なのかもしれないですね。


そして、重要な役どころのぺ・ドゥナARATA板尾創路の3人の演技がもう素晴らし過ぎました。
特に板尾は本当にすごかった。これ他に出来る人いないんじゃないかな。
あと、ぺ・ドゥナは役としてかわいい。


ということで、僕としてはペ・ドゥナの役に、
申し訳ないというか男って、男って!みたいな意味不明な感情移入をしてみてしまったので
オダギリジョーとの階段での会話シーンでグッときてしまいました。


タイトル、「空気人形」なんですよね。
ラストのシーンは感動的ではあるんですが、すごくきついです。
代用品であった自分がそれを克服して媒介になる瞬間だと思いますが、それにしてもきつい。
いや、ハッピーエンドであったら、世の中に多くあるくだらない映画と変わらなくなってしまうので
これでよかったというか、こうなるしかなかったのかもしれないですが。
正直、見終わった瞬間拍手喝采したくなる映画かといえば違いました。
ただ、圧倒的な異物感が自分の中に残ってしまうという映画体験になりました。
なので、じわじわといい映画だったなと思うタイプの映画かもしれません。
時折ある笑いも上品な感じでとてもよいです。
設定がきっちり描かれているってことですけどね。
セロハンテープは途中まで出るたびに笑ってしまいました。


ハニカムでも是枝監督とARATAさんのインタビューが掲載されてますね。
http://www.honeyee.com/feature/2009/kuukiningyo/
映画でこういった表現もナンセンスかもしれないですが、きっちり元は取らせてもらったなという感じでした。
上映館数は少ないですが大変お勧めです。