山本直人「「買う気」の法則 広告崩壊時代のマーケティング戦略」

「広告って、なに?」というブログを書いている山本直人さんの新著が出ました。
博報堂出身で、今は人材育成なんかの仕事をしているようです。
「買う気」の法則 広告崩壊時代のマーケティング戦略 (アスキー新書)
ブログをいつも読んでいるので、本が出るのが大変楽しみでした。
発売日を失念していて、ようやく読み切ることが出来ました。


読んでみて、広告業界の人だけに向けたわけではないすごく丁寧な本だなぁと思った。
それは、「広告批評」の廃刊から「戦う広告」までの広告と社会の繋がりの部分を
書いているところから思った。
広告にそこまで興味がない人からすれば、なんで今までのCMが効かなくなっているかとか、
下手すれば「広告批評」の廃刊の理由とか、そういったことが正しく伝わっていなかったりする。
そういった状況に対して、新書だからというのもあるだろうけど
きちんとベースを作って書かれているのがすごく印象的でした。

あとは、やっと自分が思っていたことを言ってくれる人が出てきたと思った部分があって、
それは広告が載る「メディア」のはなし。
広告が効かなくなったといったときにいつも言われるのは
「広告」そのものが効かなくなる話ばかりだった。
けれど、その広告が載る乗り物であるところの「メディア」に対して、
この本ほどモノ言っている本は初めて見たかもしれない。
この部分だけでも買って読む価値があるように思う。


最後は、マーケティングの話。消費に対する関与の視点から宣伝手法を考える展開になっています。
ちょうど、この辺りを勉強したいなと思っていたので自分にはぴったりでした。
もう一度復習したいと思っています。


ということで、なぜかベタ褒めモードになってますが本当にいい本だと思います。
自分が普段考えていてもやもやすっきりしていないことがちょっと引き締まりました。
なるほど、こういった展開にすれば相手にも伝わるのか!とか読みながら発見もありました。
今までこれから広告について考える人には佐藤尚之さんの「明日の広告」を激プッシュしてたのですが
まずはこの「「買う気」の法則」を読んだ後で「明日の広告」のほうがいいかもなと思いました。
アスキー新書のプロモーション周りの本は面白い本が多いなぁ。
後半、マーケティングの話はちょっと難しくなるけれど全体的には読みやすく、
すっと体に入ってくる感じがする本でした。

「買う気」の法則 広告崩壊時代のマーケティング戦略 (アスキー新書)
山本 直人
アスキー・メディアワークス
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