流通経済研究所 「インストア・マーチャンダイジング―製配販コラボレーションによる売場作り」

とある有名な広告系ブロガーの方が紹介していたので読んでみたのだけれど…、
って、その方が書いていたのって既に2ヶ月前…。
どれだけ行動力がないんだ、俺…。
インストア・マーチャンダイジング―製配販コラボレーションによる売場作り
店頭でのマーケティングに関する分析で有名(らしい)流通経済研究所の編集本。


最近、広告主の宣伝部の方とお話しする機会があってよく思うのは
広告宣伝以外の部分でのプロモーションにすごく力を入れているなぁと思うのです。
今まで、広告の勉強しなきゃ!とかマーケティング!とか言って、
いろんな本を読んできたけれども流通のレベルにまで考えた経験があまりなかった。
いくら心に刺さるCMが、WEBキャンペーンが行われても店頭の棚でいい位置になければ売れない。
なんか、そういった部分まで考える経験があまりになかった。
そういうところでバイトしておくと肌で体感できたのになぁと思うところです。


そういった、流通、小売の現場で商品をどうやって売るのか、売上を上げるのか
その考え方をめちゃくちゃ論理的に書かれているのがこの本。
タイトルの「インストア・マーチャンダイジング」とは何なのか。
この本に書いてある定義は

ISMは、「1.小売店頭で、2.市場の要求に合致した商品および商品構成を、3.最も効果的で効率的な方法によって、消費者に提示することにより、4.資本と労働の生産性を最大化しようとする活動」を意味しています。(p12)

要は小売の現場でどうやって売上を無理せず最大化するかということを科学しているということです。
ポイントは「科学」しているということです。
広告とか、マーケティングにやや(思いっきり?)欠けているこの視点が充実している。
こういう本を見ると、もっと数値で、根拠を持って語れるようになりたいと思います。


結局のところ、ものを買うのは現場で起きてるんだよ!ってことなんだろうなと思う。
(これと似たようなものだと、広告から直接のアクションを求められる通販の会社にも、
驚くほどのノウハウが溜まっているであろうことは想像に難くない。)


人の購買行動パターンを計画購買と非計画購買、購買中止と非購買に分けて、
そのうちの非計画購買と購買中止の人に対して、
フロアマネージメントや店頭プロモーションで訴求するというのは
文字に書き起こされてみればそりゃそうだよななのですが、
言われるまで考えもしなかった領域でもあります。


言われてみればある程度のコンビニではだいたい似たような商品配置で
(入り口から遠くのほうに飲み物があり、レジに行くまでにおにぎりやお菓子が配置されている)
その理由も商品カテゴリーから考え抜かれて配置されている。
この本なりに書くと、多くの人が計画的に購入するパワーカテゴリー型の商品は店の奥に
それで動線長(店内の歩く距離)を最大化し「ついで買い」を誘発するようなフロアにしている。


そういった経験を論理的に書かれている本がこの本になります。
小売の現場に携わっていなくてもなるほどなぁと思うし、
あ、これも適当ではなくて考え抜かれて配置されているものなのねと思うところであります。
消費者の心情に関する部分がやや少なめ、売る側の視点に立った本だと思いますが
読むと、俺もっと頑張ろうと思うところです。
効果が分からないというところに甘えすぎだわ。頑張ろう。

インストア・マーチャンダイジング―製配販コラボレーションによる売場作り

日本経済新聞出版社
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4 売場を科学する方法・・・
5 難しいことが、わかりやすい