宮台真司「日本の難点」
宮台さんの本を初めて読みました。
今まで読まなかった理由は言い訳っぽいものならたくさんあって、
どこから手を出せばいいかわからないとか、ハードカバーで高いとか。
でも、今回は新書ということでこの問題を軽々と飛び越えるということで、
手にとってみた次第です。
読んでみて、納得出来る出来ないは別にして大変面白いと思いました。
序盤は自分好みの話題のメディア論、コミュニケーション論から始まって、
教育論や幸福論という総論を語ることで土台を作り、
その後のアメリカ論、日本論に繋げるという展開。
私の印象ではこういった論点本というのはそれぞれの専門家がバラバラに発言をしていて、
確かにその場ではベストな発言をしているのかもしれないけれど、
全体で見たときにはベストかどうかはわからないよね?
という疑問を持ちがちでした。
ただ、この本では宮台さんが全てを自分で担当して日本への処方箋を下すというスタイルをとっている。
だから、全体で最適となるためにはどういった一貫性を持つ必要があるのか、
そういったところが感覚としてはわかる本になっていると思う。
言葉にしろ、と言われるとまだそこまで理解出来ていないのだけれども。
特にアメリカ論は圧倒的に勉強不足という点もあって厳しいのです。。
この本を読んで学生時代にシステム論の本を多少なりとも読んでおけばよかったなぁと思ったり、
自分の考えが全体的に思考停止に近いところで止まっているなぁと思ったりした。
特に後者を意識することが多くて、なかなか自分で考え出した考えを持てない自分は
どうしてもいろいろ見たもののよさそうな部分をつまみ食いして終わっていて、
整合性が取れているのかとか、実現されたらどうなるの?みたいな話まで進まないことが多い。
もういい歳にもなったし、もう少し進歩しないとダメだなぁと感じました。
ということで、マスメディアの言っていることはなんか簡単にし過ぎていてためにならないとか、
普段から考えている人にはかなりおススメ出来ると思います。
最後にはゼミの話も出てきて、他大の学生が半数以上というのに驚きました。
確かにここまで深く考えることが出来る人のゼミに参加してみたかったですね。
大学1年のときとかにこの本が出てたりとかだとまた違った人生だったかもなとか思ったり。
新書の中では難しいと思いますが、あくまで新書レベルだと思います。おススメです。