広告批評編「私の広告術」

広告批評で行われた講義の講義録を編集した本。
私の広告術
表紙を見ればわかるけれども、いやー豪華な面子です。


本の構成としては、「企画」「コピー」「ビジュアル」と3つにパートに分かれていて
個人的には前半二つはとてもフムフムな感じで付箋たくさん貼ったけれど
ビジュアルのパートは普段意識していないこともあってちょっとさっぱりな感じでした。


最初の大貫卓也さんの「アイデアづくりの5つのハードル」とかは広告を見る上で大事な視点。
「目立つこと」「違うこと」「わかりやすいこと」「企業・商品のシズルがあること」「商品が動くこと」
私は「商品が動く」というのにすごく興味を持っているけれど、
この本の中でも売上が伸びたという紹介のある広告が必ずしも多いわけではない。
広告のクリエイティブ寄りの本を読むといつもそんなことを思います。


最初にこの本を手に取ったときはもっと何人かに絞って長く掲載したほうが面白いのではないか?と思った。
だが、読み終わった感想は全くの逆で視点の数を増やすほうが面白いのだと感じた。
その理由は一人一人、クリエーターによって広告の考え方が違って、
ひどい(?)ときには次の人になったら前の人の考え方の反対の考え方をしていて、
それでもクリエイティブに優れた広告を作っていたりして科学になるのはいつになるやらと思うのです。


こうやって見るとこれが実際の講義で連続して行われたら確かに広告に対する考えは
多角的で深くはなると思うけれど「広告学校」として何かを身につけるのは厳しそうだなと思った。
だからこそ、一貫して何かを学ぶためのテーマが必要になるのだなぁとしみじみ。
とはいえ、非常に安価で講義を受けた分の考えを得られるいい本だと思います。
新品ではもう販売していないようですが、古本屋などで見かけたら購入をお薦めします。

私の広告術
私の広告術
posted with amazlet at 09.04.11

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4 日本の広告クリエイターの特異性
5 ものをつくること