岡康道×吉田望「ブランド」

働いてみると、思いのほか本を読む時間がなくなるんだなぁと思う今日この頃。
とはいえ、家には大量の未読本がたまっているので頑張ろうと思います。
で、読んだのは2002年なのでちょっと前に出版になった対談本。
ブランド
リエーターと企画者の対談ということで体系的にブランドを語っているわけではないですが、
実際の現場で活躍する方々がブランドに対してどう考えているかが分かる本になっている。


この本を読んでわかるのは、クリエーターは広告主と一緒になって企業のブランド形成や広告制作を
行っていきたいという思いである。
もちろん今だってオリエンがあって、プレゼンがあってでそうだろという話はあると思うけれど、
もっとお互いが深く関わっていく必要があるのではないかと感じた。
有名なクリエイティブエージェンシーがトップと広告の話をしているのは、
企業ブランドがその先5年、10年を考えていったときにとても重要なものになるからだと思う。


序盤は広告主に対する要望で始まっているのだけれども、中盤には広告会社の話も出ている。
ここでは人間の精神的な弱さも考えながらコミッション制やフィー制についての話が検討されている。
コミッション制ではどうしても手数料が大きいメディアを取り扱いがちになる。
はたまたフィー制度は成果物に対して時間に対するフィーなのか、
web制作ならページ単価なのかによって変わるだろうがお金がたくさん入るようなアウトプットを行うのは
変わりがないように話している。
つまり時間に対するフィーならば必要以上に時間をかけたアウトプットになるだろうし、
ページ単価になるならば必要以上にページ数の多いアウトプットが出てくる。
でも、広告主にとっては時間をかけたからいいものではないし、ページ数が多いからいいわけでもない。
これからの広告会社を考えたときに新しい仕組みを作ったときにどうしたら最大の売上が出て、
それが本当に広告主にとってメリットのあることなのかを考えながらの設計が必要になるなと感じた。


読む人によっては、「何調子のってんだこいつらは」と思うような本だと思うけれど、
ちょっと距離を置いている自分からはとても真っ当な本だと思った。
続編も時間を見つけて読んでみようと思う。

ブランド
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岡 康道 吉田 望
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