Joseph Jaffe 「テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0」

これも随分前に買って読んでたんだけど、たぶん横書きなのですごく読みにくくて
何度か挫折したけれどようやく読了。
テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0
原題は「Life After the 30-second spot」
テレビの30秒のCMの次の生活ってことでしょうか。


amazonではただのテレビCM批判ってことが書いてあったりするけれど、
日本とこの本だとアメリカ(かな?)で比較したときに決定的に違うのは、
ケーブルテレビ(有料のテレビ)とTiVoの普及のふたつが挙げれると思う。
日本ではまだまだテレビにお金を払うという感覚がないし、
それこそテレビCMが機能しなくなれば、本当は民報のテレビは見れなくなってしまう。
ただ、アメリカだとケーブルテレビがかなり普及しているので、
そもそもテレビというコンテンツにお金を払っているのと、
TiVoによるCM飛ばしはシャレにならないぐらいすごいということで環境が違う。
それだけ、広告で収益を得るテレビ局は厳しい環境に置かれているという本だと、
認識した上で読むのがいいのかなと思います。


既存のメディアをどうするかという話よりも
インターネットによって消費者に変化が起きたからその変化からどう対応していくのか考えましょう。
という姿勢がとてもいい本だなぁと思った。
消費者の消費行動の10の教義が紹介されていて、
1.今日の消費者は情報通である
2.今日の消費者は主導権を握っている
3.今日の消費者は懐疑的である
4.今日の消費者は繋がっている
5.今日の消費者は時間に追われている
6.今日の消費者は要求が多い
7.今日の消費者にブランド・ロイヤリティはない
8.今日の消費者は常にアクセスできる
9.今日の消費者は、先を行っている
10.今日の消費者は執念深い
となっている。
この本を読んでいたときに先日のインタラ塾に参加したこともあって、
うわ!繋がってる!と思ったし、この認識を持っていかないとダメだ!と強く思った。


つまるところ、
情報通で懐疑的であるからメッセージのコントロールをしようと思っても「本当かな?」だし、
時間に追われているから、ブランド・ユーザビリティが必要になるし、
今まで通りの手法で(Web)広告を出してもすぐに検索できるしかなり厳しいってことだろうなと。


ただ、消費者に接触するためのメディアも次々と登場していて、
この本ではゲームとかモバイルとかが紹介されているけど、
今だとその中でもNINTENDO DSは世界で1億台以上出荷いているらしく立派なマスメディアだし、
iPhoneのアプリだってそれだけで成り立つ経済圏になっているし、
いろいろなものが登場している。
下手したら雑誌の部数よりもアクセス数の多いブログだってあるし、
4マスに絞っていく必要は本当にないし、広告代理店ヤバいんだろうなとしみじみと思いなおした。
なんだかんだ、すごくいいタイミングで読めてよかったなと思う。
前半部分はかなり面白いです。おススメ。

テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0
Joseph Jaffe
翔泳社
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おすすめ度の平均: 3.5
3 広告業界における、預言者ヨハネの役割を果たした本
5 戦艦「広告丸」の”針路”
5 タイトルは衝撃的、内容は堅実的
1 結局は批判本
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