川勝正幸「丘の上のパンク -時代をエディットする男、藤原ヒロシ半生記」

honeyee.comの記事見て購入を考える。
http://www.honeyee.com/feature/2009/tpoth/
その後、本屋で立ち読みしたらかなり面白かったので購入。
丘の上のパンク -時代をエディットする男、藤原ヒロシ半生記
僕はストリート・カルチャーなるものにとても弱いですが、
藤原ヒロシという人に興味があって読みました。
(音楽は普通の人よりはわかるぐらいです。)


20代前半の自分が読むと、この人とこの人はここで繋がって今に至るのかー!
とか、昔の伝説みたいなものはこうやって話題になってたのかー!
みたいな資料としての面白さが強い。
それにしても、この人も出てくるのか!みたいな人がいっぱいいるよ。
エリック・クラプトンとかいとうせいこうとか桑原茂一藤原ヒロシと繋がりがあるとか知らなかった。


あとは、この本の成り立ちがとても面白い。
本人のインタビューと、藤原ヒロシの周囲の人へのインタビュー、
そして雑誌での連載をまとめたもの、DVDやテレビからの引用、それにその当時の文化への説明、
こういったものを整理してまとめた作品になっている。
読めばすぐにわかることだけれども、
ものすごい量の資料をまとめたことで完成した本なのだろうなーと思う。
後は、どの時点で本を完成させるかについても相当悩んだだろうな…と思う。
次々と新しいものを見つけて紹介している藤原ヒロシについて、
どこでまとめてひとつの形にするかとても悩ましいものではないのかなと思う。


読んでいて感じたのは、面白いことが出来る仲間への愛にあふれている人だなぁと思った。
こういった場面で親切にしてもらった、相談にのってもらったというインタビューがすごく多い。
そういった性格の部分と、好きなものをすごく熱心に探求していくことが合わさって
外から見るとすごく大きい仕事をしているのかなぁと思った。
どちらの部分も自分に欠けている部分だなぁと思うよなぁ。


正直なはなしをすれば2940円とそこまで安い本ではない。
ただ資料のような感覚で読んでいても目が覚めるようないい言葉があったりして
すごくいい本だなぁと思った。
この本を創った川勝さん、本当にすごいっす。

丘の上のパンク -時代をエディットする男、藤原ヒロシ半生記
川勝 正幸
小学館
売り上げランキング: 46
おすすめ度の平均: 5.0
5 新たなるバイブルの誕生
5 内容はもちろん、編集方法も凄すぎます
5 存在感がある本