西村佳哲「自分の仕事をつくる」

タイトルを見たときにちょっと自己啓発っぽい本なのかなぁと思いつつ、
IDEOのインタビューや、小林弘人さんのインタビューが載っているので購入。
自分の仕事をつくる
読んでみたら、自己啓発臭さは一切ない非常にさっぱりした本になっていました。
どちらかというと仕事をする上で気持ちの持ち方の話が近いのかなと思いました。


前半は「デザイン」に近い仕事をしている人たちとのインタビューを通じて、
仕事について考える章になっている。
個人的に刺さったというか足りていないなぁと感じたのは仕事の完成度をパレートの法則で表した部分。
最高の完成度に達するための20%の時間で80%の仕上がりになる。
そこで満足して80%のもので完成にするか、
更なるトライ&エラーを繰り返して100%のものを仕上げるかどちらを取るかという話。


もちろん、ケースバイケースでしょっていう話だと思うのだけれども、
この本には自分から100%のアウトプットを出しやすいように、
環境を整えている人たちが多いこと、多いこと。
象設計集団という建設設計アトリエは北海道に事務所を構えることで
安価で大きなスペースを確保することに成功していたりする。


もちろん、こういった仕事が出来る人たちなんて限られた人たちしかいないという話は
当然批判として出てくるのだけれども、それは言い訳なんじゃないかと感じる部分もある。
実は80%ずつのアウトプットしかしていかなければ、段々とそのアウトプットの力は弱まっていき
結果的に新しい100%のアウトプットを出すことが出来る競合が出現したときに仕事がなくなる。
本当は出来ないじゃなくて、ヤバイ!やれるような環境を整えないと!になっていかないと
いけない部分というのはあると思う。


俺も100%以上のアウトプットが出来るようにちゃんと鍛えていかないと。
カラダもココロもねー。
著者の西村さんのブログを見たら2月には文庫本がちくま文庫から出るそう。
1時間強で読み終わってしまう本なので単行本で2000円はちょっと高いけれど、
文庫で800円なら考えることは多いし買ってもいいのではないかと思う。
新しいインタビューと先のような批判に対する反論みたいなようなものも書かれているとのことなので。


自分の仕事をつくる (ちくま文庫)
西村 佳哲
筑摩書房
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