ジェラルド・ザルトマン「心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす」

サークルの後輩が「まだ読み終わっていないけれど面白い」と謎の紹介をしていた本。

心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす Harvard Business School Press

宣伝会議の去年の12月1日号でもニューロマーケティング特集が組まれていたりと、
今年は改めて脳科学×マーケティングが注目される年になるのかな?と思いつつ読んでみました。


心脳マーケティングというタイトルで想像したのは、
「どのように心理学や脳科学マーケティングに活用するか?」だったか、
どちらかというと言語学よりなのかなぁと思ったりしました。


序盤に否定されているのは今まで活用されているような消費者調査の手法である。
表面的な質問や誘導的な質問を用いても消費者のインサイトは導き出せない、
意識よりも無意識が持つ領域の大きさを認識することでよりよいマーケティングが可能になる。
ということが言いたい本だと思います。


無意識にまつわる思考や記憶といった側面に注目し、
思考や記憶に関連する言語面やイメージについて詳しく記述がなされています。
一読しただけではまだまだな理解度です。


読んでいて難しいなと思うのは、理論に相当寄っている点だと思います。
事例の紹介や具体的な部分がかなり少ない。
なので、いや頭では分かるけど実践に当たってどうすりゃいいの?という印象。
特にコンセンサス・マップの作成が自分にはよくわからんといった感じ。


ただ、この本を読んで勇気付けられたのはマーケティング以外の領域の先進研究を
マーケティングに取り込んでいけ!というアドバイスですね。
自分が今研究しているのは本来はマーケティングとは違う分野ですが、
一部では話題になっている話しではあったりして、
そういったものを自分の中に取り込みながら仕事をしていくと、
いいよどころではなく、むしろ積極的にしていけ!というメッセージだと感じました。


働き出すと時間は本当に足りなくなると思うけど勉強は止めてはいけないなと思いました。
誰にお勧めするかは難しいですが、
現状のマーケティング理論で物足りない方は読むと視野が広がると思います。

心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす Harvard Business School Press
ジェラルド・ザルトマン
ダイヤモンド社
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おすすめ度の平均: 4.0
5 マーケティングだけの内容ではありません
4 調査上級者向け
4 実践的とは言えないが、問題提起の書。
4 面白い。
2 学者向け