森信三「講話録 真理は現実のただ中にあり」

内定先の会長が森信三の本を何かの本で推薦していたので、
読んでみることにした。
哲学というか、なぜ生きるのか?みたいなことを学ぶ今の自分のモードにはぴったりの本。
講話録 真理は現実のただ中にあり


小学生、大学生、新人教師などに向けて行った講演をまとめた本。
すごいなぁと思うのは、小学生に向けた講演でも本気なのが伝わってくること。
小学生に向かって徳川時代の詩人、頼山陽の詩を読む。

「十有五春秋 行くものはすでに水の如し 天地始終なく 人生生死あり 
いくんぞ古人に類して 千載青史に列することをえんや」(p13)

この詩から「人生二度なし」ということを説く。
小学生に「人生二度なし」と言い、今のうちにしっかり自分を肥やさないとダメだと言うわけですよ。
突き詰めていくことで、そういったところにたどり着くというのはすごいなと思う。
最初からかなり度肝抜かれつつも、間違ったことを言っていないのですっきり体に入ってくる。
とはいえ、全て読んでやはり個人的に一番しっくりきたのは大学生向けの講演。
大学での2つの重要な任務として森は以下のふたつを挙げる。

その一つは将来諸君が、それによって世に立つところの専門知識の概要を身につけることであり、いま一つは、人間としてこの人生をいかに生くべきかという根本問題について、その端緒をつかむか、少なくともその方向を決定することであろう。(p75)

その上で、読書を「精神の食物」として薦める。

「自分にとって感動を与える書物だけを読め!!しかざるものは、それがいかに有名であろうとも読むな!!」(p84)

読書についての要訣は、先にも述べたが感動にあたいする書物を、全生命力を集中して一気阿成的に読みぬくことではないかと思う。(p88)

など読書に関してもいくつかアドバイスが書いてある。
一番これだな!と思ったのは、
「人間は一生のうちに、一人二人、その人の前著作を読みぬく人を持つがよい」ということ。
自分にとっては誰だろうなぁ。小林秀雄全集全部読もうかしら。


宗教学や哲学など深く勉強している方から出てくる言葉だからか
「人生二度なし」や「真理は現実のただ中にあり」というひとつのフレーズで
この世の真理と言うか、常識と言うかそういったものを言い表す。
「真理は現実のただ中にあり」というのはまだちょっと自分の中では理解できていないですね。
他の本も読んでみようと思う。

講話録 真理は現実のただ中にあり
森 信三
致知出版社
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おすすめ度の平均: 5.0
5 で、一歩を踏み出す
5 読書は「精神の食物」
5 森先生の入門書に最適
5 この本こそみんなに読んで欲しい
5 西田哲学の継承者 森信三の講演集。