雑誌「QUOTATION」創刊記念トークショーに行ってきた

昨日のことですが、「QUOTATION」のトークショーに行ってきました。
http://www.quotation.jp/2008/11/189/

「QUOTATION/クォーテーション」は「クリエイティブ」という視点を通じて、世界のさまざまなモノ、情報、場所、プロダクト、そして人を「QUOTATION MARK/クオテーションマーク」で拾い、繋げていきます。
http://www.quotation.jp/about/

ということをコンセプトにやっている雑誌ということで、
1号目は「“世界”の最新“クリエイティブ”“100”のキーワード」。
1ページに複数の項目が短いながら丁寧にまとめられている感じ。
僕はこの雑誌を最初に手に取ったときになんでネットじゃダメなんだろ??と思った。
この雑誌の作り方について編集家の仲俣さんは

ようするにこの雑誌は、短い記事のなかに気になった言葉(商品、人物、イベント等々)があったら、その先はグーグルなどで検索して、自力で辿り着いてくれ、という発想でできている。その手法を好むかどうかは別として、雑誌がこのようにインデックス化、あるいはたんなる「TOC(テーブル・オブ・コンテンツ)」化していくのは、必然かもしれない。
http://d.hatena.ne.jp/solar/20081107#p1

と書いていた。
これを読んでも、自分の中ではウェブマガジンじゃダメな理由がわからなかったので、
せっかくこの雑誌の編集長が出るトークショーがあるなら行くでしょ!
ってことで長い前振りになりましたが、こんな目的で参加した感じです。

紙である必要性

先に自分が行く目的だった部分をまとめておく。
危機感があるからかわからないけれど、「紙の必要性」についての話が多かった。
取り上げられていたのは、
・質感の違い
これはwebとの比較でも話があって、Ajaxが発達(?)しても
まだまだ紙の質感・滑らかさみたいなものには敵わない。
それが紙のよさだという話が出ていた。
・リアルなコミュニケーション
このトークショーの最初でクリエイティブとは何か?という話で
「会話を生み出すもの」「見たものを誰かに伝えたくなるもの」という話をしていました。
そういった意味で雑誌という紙メディアはリアルでのコミュニケーションを生むものかもしれません。


自分がメモ取った限りは紙での優位性はこれぐらいしか挙げられていなかった。
ただ、この雑誌だけで何とかいくわけではないことはわかっていて、

今後は、国境やカテゴリーがないように、メディアにもこだわらず、雑誌やWEBを中心として、イベント、プロダクト、展覧会、ワークショップなど、「クリエイティブ」に関するプロジェクトを「QUOTATION/クォーテーション」ならではの切り口で展開していく予定です。
http://www.quotation.jp/about/

という紹介文にもある通り、クロスメディア的な売り方についてはかなり意識していました。
発売前から、Tシャツを作ったりと試みはかなり面白い。
それはこれからも期待していく感じで。

残りの気になった話

・匿名とデザインの話
トークショーに出ていた梅津さんが「名前よりデザインしたモノで勝負したい」みたいなことを言っていて、
へぇーと思ったわけです。
このことはインターネットの普及とどこまで関係があるのかはわかりませんが。
とよくわからない振りをしたのは、ネットのジャーナリズムとの違いをなんとなく考えたからです。
デザインやアートだと、ネット上でどこの国の誰が作ったものかわからないものでも
これはいい!と思えば認められる、ピックアップされるということですごく自由だなと思った。
それに比べると、ジャーナリズムというか言論の話だと真偽が問題になるため、
なかなか名前(匿名のIDでもいいと思うけど)が信頼出来ないといいことを言っていても
信頼されにくいわけで、この辺りはどうにかならないかなと感じた。


・思想のある広告
これは結構なるほどなぁと思った。
公共広告機構の話とか、カナダのADBUSTERSの話などが出ていた。
「ジャーナリズムのある広告」と言う表現を西山大助さんがしていて、
これはかなり素敵な表現だなと感じた。
こういった広告を見分ける目を持ちたいなと思った。


と言う感じで、トークショー自体があらゆるトピックを出して
気になったら調べてね。的なスタンスだったのはとてもよかった。
この雑誌らしいトークショーというか。
トークショーに出ていた西山さんがとても面白く興味を持ちました。
今日起きてからいくつかネットにあるインタビューも読んだけど、
まだまだどんなことを考えているかわからない感じがあって素敵でした。