Oasis 「Dig Out Your Soul」

Oasis3年振りの新作、Dig Out Your Soul。

この3年でイギリスの音楽は大きく変化があったように思います。
Arctic Monkeysの登場、Klaxonsの衝撃のデビューから始まったニューレイヴ、
またここ最近のFriendly FiresBlack Kidsなどのニューエキセントリック。
音楽的なブームで捉えれば、Heathern Chemistryのようなアルバムを出したら
音楽的な面白さもなく、退屈なアルバムだとボコボコにされる状況が出来つつあります。


そこで、Oasisが取ったアルバムコンセプトはモダンサイケデリア(だったはず)。
大きなスタジアムでのシンガロングなアンセムを詰め込んだアルバムではなく、
どちらかというとアルバムで楽しむ曲作りと言うことかしら?
サイケデリアという路線もあまり歓迎すべきものではないけれど。


そもそも、Oasisというバンドはもはや超えられない壁と戦いながら、
アルバム作りをしなければいけないバンドである。
本当に奇跡でも起きないと、最初にリリースした2枚
「Definitely Maybe」と「(What's The Story) Morning Glory?」を超えるアルバムなんて
創ることが出来ないだろう。
BeckRadioheadが新しいアルバムで傑作が生まれるのは、
常に新しい組み合わせを提供し続けるアーティストだからで、
同じコンセプトや曲作りで今まで出したアルバムを超えろと言われたら相当辛いはず。
Oasisはそれを「(What's The Story) Morning Glory?」でやってのけた。
だから、最高のバンドのひとつなのだと思う。


このアルバムでは、聞いている限りどこかその辛い作業をしているように感じられる。
自分たちに対して期待して作品を作っているとも言えるのだろうけど。
Oasisの持ち味でもあるハードロックのようなギターが全面に鳴り響く。
これは1stでも2ndでも3rdでもこれだった。この手法で最高傑作を作ろうとしたのだろう。
(前作はどちらかといえばグルーヴ重視で目立たなかったけど)
ハードロックなギターでモダンサイケデリアってどうやんの?と思うところだけれど、
それはどうもメロディラインを際立たせない方向で達成しようとしているように聞こえる。
結果的に、もうひとつのOasisの魅力を損なったと思う。


全体的にものすごく中途半端。
Oasisというのはサビを半端なく盛り上げるバンドだしそれがとても魅力的なはずなのに
このアルバムの曲はどれも中途半端。
結構気合入れて全体を5周くらい聞いたけど、未だにこんな曲あったっけ??と思う。
それぐらい、曲の印象度が低い。
(The Shock of Lightningくらいかなー。覚えられるのは。)
これはダメでしょう。


今年出たBeckの新作もサイケデリアに挑んだ作品だった。
大御所の似たようなコンセプトの作品が出るとどうしても比較してしまう。
個人的にはBeckの圧勝だと思う。
Oasisの大ファンだけに、この結果は非常に残念に思う。
日本来るのかな…。ライブどうしようかな…。