「テレビ進化論」を読みました

経済産業省のメディアコンテンツ課にいたという境真良さんの
「テレビ進化論」を読みました。

新書サイズで220ページと決して厚くはない本ですが、
自ら出した問いにしっかりと答えるすごくいい本でした。


その問とは何かといえば、ひとほど前に用語として流行った(?)
「放送と通信の融合」とは一体なんだったのか?という話。
これについては、僕の記憶ではホリエモンも三木谷さんもどちらの答えも
ネット上では叩かれていたような記憶があります。
じゃあ、結局どんなものなのか?ということについては語られずじまいと言うか。


その「放送と通信の融合」について考えていくと、
1.そもそも「放送と通信の融合」とは何か?
2.なぜ、「放送と通信の融合」が簡単に出来ないのか?
3.「放送と通信の融合」が起きるとそういう影響を与えるのか?
という3つの問いが出てきて、それがどうなるのかというのがこの本の内容。


「放送と通信の融合」とは何かという問についてはいくつか回答が載っている。
ひとつは、acTVilaアクトビラ)×NGN
映像をブロードバンドを経由してテレビで受信するというスタイル。
これはパソコンよりもテレビを売りたい家電メーカーが主導のもの。
他には、wii×youtubeJoostとかの個別事例も。


ただ、これは提案として新しいなと思ったのは、
テレビ局側が視聴者の視聴データを集めていくことで、
(テレビにブロードバンドが突っ込んであることが前提な気もしますが)
既存のCM広告での収入だけではなく、
消費行動データを営業・販促の方面に売っていくという方法。
コレなんかはすごくウェブ的な発想で「放送と通信の融合」ね!とか思った。


問いの2番目については、著作権と業界の慣行の問題がかなり複雑みたいです。
色々記述があるのですが、一回ではすっきりとわからず。


問いの3番目については、「放送と通信の融合」を
どこが最初にやれるかによって変わるだろうなって感じました。
この本に書いてあったのは、
「テレビ番組の作り方の変化」と「テレビ番組を飛び越えるコンテンツ」
のふたつですかね。詳しくは本を。

最後のほうがかなり適当になってしまいすみません。
もう一回読んで脳内でまとめておきます。


この本はその他にもテレビ業界が抱える問題について幅広く論じているし、
その視点も行政的な視点だけでなく、ビジネス的な視点も入っていて、
バランスのいい本だと感じました。
いろんな人にオススメです。


おまけとして。
最近だとニコニコ大会議で行われたストリーミングの生中継に
コメントをつけまくっていくのはかなり面白いと思ってたりします。
これもある意味、「放送と通信の融合」のひとつの答えかなーと。


ニコニコ大会議に関する詳しいことは、
荻上チキさんが記事を書いていてかなり熱いなと思いました。
http://mint-seijotcp.blog.so-net.ne.jp/2008-07-14
ニコニコでプロレス見たり、野球見たりするのはかなり楽しいです。
みんなで見てる感じがします。
盛り上がるタイミングが一緒で「おおおおおお」って書き込んだり。


これがリアルタイムで出来るとテレビも面白いと思いますが、
リビングにあるテレビで家族で見ているときに、
「テラワロスwww」とか書き込めねーなとかも思ったたりしますが。
(親からどんな目で見られるかわかったものではない…)