Syrup16g ラストライブ行ってきた

Live Forever The last waltz of Syrup16g
そう名づけられたライブは開演時間を10分過ぎた17時40分始まった。


前回のENDROLLツアーでの解散発表。
その後発表された、明らかにスワンソングであることを意識したラストアルバム。
最後のライブを見届けるための材料は全て出尽くしていた。
あとは、バンドが瓦解していく様を見せつけられようが、奇跡のような演奏だろうが
「解散」と言う事実だけは絶対に変わらないと思った。


客電が消え、メンバーが登場。
1.「きこえるかい」。
アルバム『delaydead』最後の曲のためか終わるように始まった。
「いいさ/どんな言葉でも/受けるよ」というサビでちょっとくる。
本当はどんな言葉でも受け入れるなんて嘘なのに。じゃあ、解散するなよ。


2.「無効の日」
「開けて/その部屋の窓から/見えるのは/すべてはもう/無効の日」
解散した次の日のことをこの段階で言っているのかな…と思った。
でも、最後のMCから考えるとあながち間違ってないのかも。


3.「生活」
「君に存在価値はあるか/そしてその根拠とは何だ/涙流してりゃ悲しいか/心なんて一生不安さ」
と始まる一曲。初期『Copy』の代表的な1曲。
悲しけりゃ、涙は勝手に出て来るんだよと思いながら「きこえるかい」で出かけた涙が止まる。
ここまでで解散するライブなんだぜってことを意識させる流れは出来た。
全曲新曲のライブもやっていたSyrup16gということを考えると、なんだかなぁと思うところはありつつも
今日のセットがファンを意識したセットリストになることはこの時点で十分予想できた。


4.神のカルマ」
5.「I..N.M」
6.「Anything For Today」
7.「イエロウ」


8.「月になって」
「君に間違った事はなく/道を誤った事もなく/ありのまま何もない君を見失いそうな僕が泣く」
今日の君は誰なのだろうと思った。バンドのメンバーに対してだとすごく感傷的。
でも、今日演奏されれば誰だってそう思う。


9.負け犬
10. 希望


11.「センチメンタル」12.「明日を落としても」
五十嵐のアコギ弾き語り。
真空管の音が好き/高校生になったら部屋で/毎日ギター弾いてた」
という歌詞のセンチメンタルは一人で演奏するための曲なのかもしれない。
そして、一番好きな曲「明日を落としても」。このブログのタイトルのモチーフ。
「したい事も無くて/する気も無いなら/無理して生きてる事も無い」
「誰も愛せなくて/愛されないなら/無理して生きてる事も無い」
世間ではダメな自分を慰める歌ばかりが繁殖している中、無理して生きてる事もないと言い切り
その儚さの中で懸命に生きることを歌う。
俺、完全に涙腺決壊。。


12.もったいない
13.生きたいよ


14.「途中の行方」
14曲目でようやくラストアルバムから一曲。
正直、ここまではラストアルバムの曲がなく、ある意味異様な雰囲気だった。
「誰でも吐きそうな言葉/垂れ流して/誰でもなりそうな/病気ぶら下がって」
ここまで、14曲分のたくさんの言葉がこのライブを彩るために使われてきた。
「俺は狂っちまったけど/俺は狂っちまったけど/何もかもは捨てきれない」
という歌詞はやはり解散を意識しすぎていて心が痛む。


15.ex.人間


16.「正常」
正直、ここまでは演奏が固かった。
ただ、ここでドラムの中畑が鬼気迫るドラミングを見せる。
ドラムスティックが折れて飛んでいく。それでも叩き続けるタイコ中畑。
ここからは曲もアグレッシブ。演奏も何かが弾けたような素晴らしいものに。


17.パープルムカデ
18.天才
19.ソドシラソ
20.Sonic Disorder
21.Coup d'tat
22.空をなくす
23.リアル
もうこの辺はほとんど覚えてないです。。
とにかく感傷的なムードを勢いだけで崩していった、そういう印象。
パープルムカデ、リアルの2曲は最高だった。
ここで一度メンバーが下がる。
ものすごい手拍子の武道館。


アンコール1
アンコール1のセットはラストアルバムから。(1曲新曲あり)
1.さくら
ラストアルバムからの一曲。
「悲しくて/悲しくて/涙さえも笑う/優しさも愛おしさも/笑い転げてしまうのに」
「さよなら/さよなら/さよなら/さよならだけ」
歌詞がわかっているだけに1音目が鳴った瞬間から涙が止まらない…。

2.ニセモノ
「理想を夢見てきた/いいだろう/途中までいい感じだった」
「破滅の美学なんかを/利用して/いざとなりゃ死ぬつもりだった」
かつて「夢」という曲で
「夢は何となく/叶わないもんだと思ってきたけど/何てことはない/俺は夢を全て叶えてしまった」
と歌った男の敗北宣言。
ラストアルバムを完成するためには解散するしかなかったというような発言が頭のなかをグルグル。
もうここで演奏終わってしまうんじゃないかと思った。


3.新曲
ここで新曲やるんだ…と思った。
しっかりとギターが入っていればいい曲だろうなーと思った。
もったいない。他にもいい曲がたくさんあっただろうに。


4.イマジネーション
「さあ終わりにしよう/何もかも/そこから何かが始まるさ」
と始まった瞬間、本当に解散するんだなと改めて感じなおした。
「たくさんの歌/たくさんの思い出が/イマジネーション/体を突き抜けてく」
のフレーズでもう感傷的になりすぎて辛くなった。


5.Scene throuth
アグレッシブなギターロックのこの曲。
あ、ここで一度アンコール終わるなと思って安心して演奏を見る。
「心の中に/答えの中に/確かなものは/何一つない」
という歌詞で終わる一曲を最後に持ってきた。うーん、いろいろ考えることがあるんだろうな。。


アンコール2
1.She was beautiful
美しい演奏。
2. 堕落
3.真空
あ、これで終わりかもと思った。
まだ、「翌日」も「Reborn」もやってないのに…と誰もが思っただろう。
その思いは次のアンコールへ。


アンコール3
1.翌日
明日について歌った曲がたくさんあるんで、これからも聞いてくださいというような五十嵐のMCの後に演奏。
この辺から泣き出すファン多数。もちろん自分も泣いてます。
2.Reborn
「昨日より今日が素晴らしい日なんて/わかってる そんなこと当たり前の事さ」
「時間は流れて僕らは歳をとり/汚れて傷ついて生まれ変わっていくのさ」
「愛する心がどんな色であっても/優しい気持ちだけで夜は明けてゆくよ」
この歌が最後に来て本当によかったと思った。
Syrup16gが解散した昨日より素敵な今日は本当はないのかもしれないけど、
それでも僕らは歩みを止めずに行き続けなければいけないんだろう。
なんてことを思った。
ライトが全てついた状態での演奏。素晴らしい演奏だった。


当分、聞いたら泣いちゃうだろうから聞かない。
だけどまたいつか聞きだす日まで、さようなら。