ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る

読むキッカケ

これは、梅田望夫さんがブログで紹介していた本なので、読んでみようと。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20071222
それと、グローバリゼーションってなんだろうという疑問も引き続きあったので、
これは一石二鳥だな!と喜んで読んでみました。

本の内容

2005年4月に早稲田大学で2日間行われた講演と、その時の質疑応答、
ベネディクト・アンダーソンについての解説の3本立て。


講演は
初日が、『想像の共同体』に関する話でテーマとしてはナショナリズムの話。
2日目は、初期のグローバリゼーション、アナーキズムナショナリズムの話。


並べてみると、タイトルの「グローバリゼーションを語る」ってのは合ってるのかな?
とふと疑問に思う内容。ナショナリズムを語るだろー。

読んだ感想と考えたこと

先に言っておくと、僕は想像の共同体を読んだわけではないので正しい解釈かは怪しいです。

  • 日本はひとつの国なのか?

アンダーソンによる国民の定義が
「イメージとして心に描かれた想像の政治共同体」なのだとすると、
日本ってのはもうひとつの国家ではないと思う。


年金やら、社会保障やら様々な制度の崩壊によって、
逃げ切り世代(今の50歳以上くらい?)とそうではない世代のふたつが出ている。
このふたつの世代には、日本の方向性についての大きな方向性の違いがある。
逃げ切り世代は残りの人生が短いこともあり、自分たちの保障があれば大丈夫と考えるだろう。
でも、僕なんかは正直なところ、アホみたいに借金を抱えた日本なんて早く破産して、
悪い膿を全部吐き出させて出直したほうがいいんじゃないかと思ってる。
こう思ってる若い世代はたくさんいると思う。
(あくまでも、思うだけ。確証はないけれど)


であるならば、日本には世代による国の断裂が起こっているように思うのだけれど、
それは解釈違いなのだろうか?
もうさ、若い世代で日本から独立しようぜ!
希望の国エクソダス』みたいにさ!
あ、これが言いたかっただけだな…。

  • 文学を読む理由について

小説は好きで読むのだけれど、
「なんで、小説なんて読むの?時間の無駄じゃん!」みたいな声に反論する言葉を持っていなかった。
(ビジネス本とか、自己啓発本と比べてということだと思うのですが)


アンダーソンは『想像の共同体』を書いて(比較研究を行って)
文学についての研究はその国の文化を理解する上で重要だっていうことを書いている。
で、そんな言葉を受けて小説やら文学を学ぶということは
その小説で描かれた時代を学ぶこと、その時代に生きる人の気持ちを受け取ることなのだなと
しみじみ思った。


クオリア降臨』読んで、自分の中の文学モードに火がつきかけたけど、
「今、やる必要があるのか?」と言う自らの問いに答えることが出来ずに困っていた。
だけど、この本読んで1日で解決された。本ってやっぱり偉大。
というよりも、今はいい感じに自分に合う本が選べているってことだろうな。
時期とタイミングがぴったり過ぎてびっくり。
とりあえず、『想像の共同体』が読みたくなったわ。