日本でのサンデルブームを予言した人

サンデルの「これからの「正義」の話をしよう―いまを生き延びるための哲学」が相変わらずすごく売れてますね。

学校の教科書みたいな本が40万部とかすごいす。
僕も買ったんですが、半分くらい読んだ後本棚の肥やしになっています。連休で読もうかしら。


で、ここから少しずつ哲学とかが流行るのかなと思いますが、
実はこのブームを予言していた人がいるんですよ。
以下、とある記事の引用。

「21世紀の最大の娯楽は"哲学"になるでしょう。これは僕は十年以上前から言っています。20世紀の最大の娯楽はテレビだったと思います。これがもう完全に終っている。百年に一度の世界動乱のさなか、我が国のトップニュースは、相撲です(笑)。産業としても、テレビは斜陽でしょう。広告も同じです。その産業から、早めに距離を置く必要があります。娯楽としてのインターネットも所詮は広告に頼ったテレビと同じモデルであるならば、その寿命は長くありません。実際、テレビと距離をおきはじめた人が増える一方、ネット離れも加速しています」

「ではこの大変な時代に生きる人々にとって何が最大の娯楽になるかと言えば、哲学しかないと僕は考えます。すなわち、平和な時代に育って生まれてはじめて自分と真剣に向き合うのです。我々はどこから来て、どこに進むのか。人間とは一体なんなのか。ここにいる私とは一体誰なのか。こうしたことを自問自答せざるを得ない時が来ると感じます。そこでいう哲学とはスピリチュアルや癒しといった温いものでもなく、インテリの言葉遊びでもなく、もっと激しく土着的なものになると思うのです。言ってみれば、哲学と宗教とアートが一緒になったようなもの。それが21世紀の娯楽になると思うし、そういったものが増えてくると思います。だからといって、精神世界のようなものが中心になるというのも、変な話。そうではない」
http://www.honeyee.com/think/2008/tt_21st/index03.html

2008年の記事の高城剛のインタビューです。
そう、高城剛。みんながなぜか嫌いな高城剛
サンデルがテレビをベースにして流行っていったことを考えるとちょっと違うような気もしますが、
哲学の本が40万部も売れることを予言した人がいたでしょうか??
こうやっていろいろ分析して面白いことを言う人だから僕は好きなんですけどね。


このインタビューを読んだ当時大学生だった僕は
マックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を読み解くという謎な会を企画したりしました。
さらっと読める本ではなかったけれど、日本のことを考えながら本をネタに話すという幸せな時間だったように思います。


ついでにになるんですが、これも僕の好きなもので「文化系トークラジオLife」ってのがあります。
http://www.tbsradio.jp/life/index.html
一番新しい回が「Life白熱教室〜これからの"社会"の話をしよう」ってタイトルでいろいろ無茶なテーマで
みんなでワイワイ議論をしているんですが実に楽しそう。
お金がかからないってのもあるけど、自分の考えがグラグラ揺らいで行くという体験が出来る貴重なコンテンツだったりします。


何が儲かるとかそういう話も確かに面白いんだけど、
もっと根本的な話もワイワイしたいんだよなーと思う今日この頃です。