「カラフル」見てきた!


http://colorful-movie.jp/index.html
クレヨンしんちゃんの名作オトナ帝国の逆襲などを手掛けた原恵一監督のアニメーション作品。
TOHOシネマズ川崎で見てきました。


前評判が高く公開初日は時間ギリギリに行ったら売り切れで見れず、
今日も中央のいい席は全て売り切れているぐらいの人気。すごいっす。
見ての感想ですが、いい映画であることはわかりますが不満な点が多いです。


作品を通しての不満は背景のクオリティの落差があまりに大きいこと。
写真から描きおこしたようなカットがあれば、CADで描いてそのままみたいな背景があったりと
「え?これ真の想像の中の話??」みたいな見ていて一瞬迷うというか。
キャラクターの造形が壊れるみたいなことがないが、背景の統一感のなさはちょっとなあと思うところです。
見ている限り、映画の尺が長いなーと思うのでその部分の予算を使って背景ちゃんと統一しろやと思いました。


次にストーリー上の不満としては主人公家族が抱えていた問題はこの映画を見た限りでは
もう既に亡くなっている一人の人物のせいってこと??
みたいなまとめ方もちょっとどうかな?と。
実際、これに似たようなことは我が家でも体験しているので同意はしますが、
故人を亡くなった後にボロクソに言うのはちょっとズルいんでないかい??と思いました。


そして最大の不満点はクライマックスですが、
主人公とプラプラという天使(?)が二人で話しているシーンでこの映画で伝えたいであろうことを
プラプラが全部言葉にして言ってしまうところです。
この映画のメインテーマがただでさえ自己啓発っぽさというか無条件の承認という扱いにくいものなのに、
それは言葉にして子どもっぽい声で全部言われると、
「お前に言われんでも映画通してみてれば言いたいことはわかるわ!バカにしてんのか!」と
あまりの説教臭さにイラっとしてしまいました。


個人的にはクライマックスという大事なシーンで、
今まで積み上げてきたいい映画だなーという感情が全部ぶちこわしになりました。
いいシーンがいっぱいあったのになあと。
特に早乙女と真のコンビニでのシーンとか普通に号泣でしたよ。
あとは、ご飯をアイテムとしてすごく上手く使っている。
食べ物の共有が前述のコンビニのシーンを含め、ここぞという場面で使われている。
唱子と真があまり仲良くなくて、ひろかと仲がいいシーンを描くのに使うのも食べ物だし。
この辺はタマフルでフード理論を聞いておいてよかったなと思うところですね。
(フード理論がわからない方はこちらがオススメです。というか、これぐらいしかないというか。)
「お菓子研究家・福田里香さんに聞く!名作の裏に?フード理論″あり!!」(前編)
「お菓子研究家・福田里香さんに聞く!名作の裏に?フード理論″あり!!」(後編)

なので、ラスト気にならないのであればこの映画を気に入って今年アニメで一番!っていう人がいてもいいかなとも思います。


あとは、最初に携帯電話がちょこっと出てくるもののほとんどメールとかパソコン使ってるシーンが出てこないのが印象的でした。
唱子がネットでもいじめられて・・・みたいなことを告白するのが一シーンとひろかが「プロフで・・・」って言ってるシーンの
2つぐらいかなあ。
このあたりは同じ中学生を描いている「告白」が逆にネット・ケータイ使いまくりなのとは対照的だなと思いました。


結論から言えば、正直説教臭い内容ですし若干嫌っている無条件の肯定みたいなのがあって
好きすぎて死にそうみたいなことは全くないです。
ただ、好きな人がいるのもわかるしそこは価値観の戦いになってくる気がするので争いたくはないです。
エヴァ破みたいな見ていて驚嘆するようなアニメーションではないですけど、
ストーリーとして一見の価値はあると思います。