佐々木俊尚「ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語」

完全にタイトルに釣られました!
ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語 (アスキー新書)
ニコニコ動画の話題はラスト50ページくらいだけ!
ニコニコの本だと思って買うと痛い目見る可能性大です。
でも、ドワンゴ物語ってのはあってる。


普段、付箋とか貼って読む自分もこの本に関しては読んでいてただただ唖然とするばかりで
こんな会社もあるんだなぁとただ驚くばかりでした。
特に会社のスタート段階は凄まじい。採用とかもこれでいいんだ??という感じ。


と同時に、ドワンゴという会社とは世代の差を感じるなぁと思ったりもしました。
個人的には「パソコン通信が〜」みたいな件が出てくると、
「俺はお前らが知らないうちからパソコン使ってるんだぜ!」みたいな大人の自慢げな感じを
ひしひしと感じてちょっと苦手です。
この本自体、ドワンゴの方が書かれているわけではないのでドワンゴという会社が
こういった考え方を持っているかはまた別なのですが。
これが度を過ぎるとただの自慢大会みたいになってしまうのだけれども、
この本ではその辺りがギッリギリだなぁという印象です。


この会社のターニングポイントは読んでいる限りいくつかあるのだけれども、
それを乗り越えたポイントとしては「適材適所」、これに尽きるのかなぁと思う。
着メロ参入のときには、ケータイゲームを若い世代の視点から話せる人間が出てきたことで
ビジネス展開が可能になったし、
社長は外部から連れてきてしまうし、ニコニコも廃人寸前の人に作らせてしまうし、
どの人にやらせればうまく回るかに関する事例がものすごく多い。
才能のある人を囲い込んでしまえば、あとはうまく配置をするだけなのかもしれません。
この辺りは経営をしている人とかが「なるほど」とかいいそうな気がします。


ということで、正直ゴールがどこにあるのかかなり迷う本ではあります。
別にニコニコ動画は黒字になっているわけではないのでハッピーエンドではないですし。
でも、人を巻き込んでいくパワーみたいなものを感じられる本になっているように思います。

ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語 (アスキー新書)
佐々木 俊尚
アスキー・メディアワークス
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おすすめ度の平均: 3.5
4 今後のコンテンツ(放送・通信)業界のゆくえを考える
4 インターネットの歴史の一場面の記録
5 若いって良いですね
1 過去の栄光を自慢しているだけ