大柴ひさみ「YouTube 時代の大統領選挙」

日本の選挙とはまるでスピード感の違う、Youtube時代のアメリカ大統領選挙についての
ブログを基にしたレポート。
YouTube 時代の大統領選挙 ( 米国在住マーケターが見た、700日のオバマキャンペーン・ドキュメント)
ブログが基になっていることがこのスピード感を伝えるのにいい効果を出しています。


この本を読むまでは「youtube時代の大統領選挙」というよりも
twitterFacebookといった「ソーシャルメディア時代の大統領選挙」だったように思っていましたが、
そうではなかったようです。
この本の筆者である大柴さんも驚いていたのがyoutubeを使っての攻防。

今年の選挙戦が過去と大きく異なる点は「YouTube時代」を反映して、攻撃された側が、数時間、あるいは1日か2日ぐらいのスピードで、反撃のヴィデオをアップロードするという点です。これをネットワークTV局やケーブルテレビ局、さらに3億以上あると言われるオンラインのニュースコラムやブログが即座に取り上げるので、この攻防があっという間に、米国中に広がっていきます。「YouTube」がフリーの広告媒体として、メッセージを一般に知らしめることに、いかに大きな影響力を持つかは、これを見ているだけでもわかります。(P61)

で、1週間に2人で7本(それでも1日一本というペース)というスピードでの攻防。
追っかけるだけでも大変そう。
というか、CMでも流れるんだろうがアメリカの人たちは全部見てるんかな…。


日本でもバイラルだ、何だと言われるけれども結構後から知ることが多くて
その辺りが実際のところどうだったのかなぁというのは結構気になるところ。
アメリカだとテレビ局の数が多いから、日本みたいにテレビで放送されたぐらいでは
一気に認知度が高まるようなことは難しいだろうし。
その辺のリアルな話も聞いてみたかったなぁと思いつつ。
オバマtwitterでのフォロワーの人数も書いてあるけど、12万人弱ぐらいとのこと。
日本基準でみればかなり多いけれども、
人口比であったりとかサービスの認知度のレベルで言ったら、2倍3倍くらいいても驚かない。
じゃあ、それぐらいの人数のフォロワーで本当にバイラルと言えるほどの影響力は本当にあったのか。
そういったところが詳しく知りたい。


とはいえ、投票するという行動に結びつけるためのエンゲージメントの結びつけ方、
またそのためのソーシャルメディアの活用の仕方はすごく勉強になる。
日本にいるとかなり偏った情報の多かった大統領選を
客観的に選挙手法の変化が起きた時代のレポートとして読むのはアリだと思います。

YouTube 時代の大統領選挙 ( 米国在住マーケターが見た、700日のオバマキャンペーン・ドキュメント)
大柴ひさみ
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5 あの大統領戦の熱気がダイレクトに伝わる!!