岩崎俊一 「幸福を見つめるコピー」

普段コピーの本とかは読まないんだけれども、
この本はちょっと気になって立ち読みしたらガッと持ってかれた。
「年賀状は贈り物だと思う。」のコピー。
このコピーはすごくいいよなぁと思って、
このコピーを書いた人のコピー集なら欲しいなぁと思って購入。
幸福を見つめるコピー
結果的にはいろいろな勉強含め買ってよかったなぁと思う本でした。


有名な、というかすごく好きだったコピーがたくさん載っていたのがまずよかった。
「野球はドラマだ。ドラマが、途中で終わってどうする。」
「温暖化がすすむと、ぜったいに消えるスポーツがある。」
「男性がネクタイをはずせば女性のひざ掛けがいらないオフィスになります」
よくうまいこというものだとか言われるコピーですが、本当にすごいよね。
確かにねぇーというか、心のどこかで思ってことを短い言葉で生み出すという
コピーライターの凄さがまざまざと感じられます。

数学になぞらえることに気おくれするのだが、これは、僕がコピーの書きかたについて考えていたことと同じだった。すなわち、「コピーはつくるものではない。見つけるものだ。」
(p306)


コピーももちろんすごいし、ボディコピーもすごいのだけれども、
それに合わせて書いてあるエッセイもなるほどねというか、
コピーライターの人はこんなことを考えながら生活しているのだなぁと思う文章になってます。
最後に帯に書かれている中島信也さんの言葉がすごくいいなぁと思っていて、

イケてるコピーライター!の岩崎俊一は実はイケてなんかなく死の不安におびえ人生を苦悩する思索者だった。その言葉は「コピー」ではなくむしろ「格言」である。「格言集」なら生活の役に立つ。よかった!この本は買って損のない「実用書」だったんだ!

コピー集と考えるとすごく遠い本に思えるけれども、格言集、実用書と考えれば身近になる。
パッと開いて読むだけで心が豊かになる気がします。(気がするだけかもしれないよ…)
素敵な本だと思います。

幸福を見つめるコピー
岩崎俊一
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4 コピーライターの「まなざし」を体験できる一冊。
4 紆余曲折がある幸福について