荻上チキ「社会的な身体 振る舞い・運動・お笑い・ゲーム」

荻上チキさんの本は年も近いし、自分が研究してたテーマに心なしか近いこともあって
チェックしたくなってしまいます。
社会的な身体~振る舞い・運動・お笑い・ゲーム (講談社現代新書)
今回は新しいメディアによって変化する人間の身体についてのお話。
私は3章以降めっきり付箋の数が減っていきました。


序盤のまさに身体性に関わる話から、
後半は笑いとかゲームで人間の身体と結び付けるにはちょっと無理がない??という話まで行く。
後半に不満があるのは人間のリテラシーというか、ものの見方が変わるという点では
確かに社会に対して人間が適応することに他ならないのだけれども、
それに対して「身体」という言葉を使うのはどうなのだろう??と思う。
「身体」というよりも「認識」だよなぁと。
と最初からこう書いてみたものの、
この本で書いてある「ニューメディアの登場と社会的身体の組み替え」についてはなるほどと思った。


情報の摂取に関することでこのことを感じることが多いかもしれない。
ただ、それが自分が年齢的に子供から大人に変化しているからなのか、
それとも、インターネット回線が速くなったり、
ケータイで常にネットが出来るようになった環境の変化のせいなのかはわからない。


ただ、今日改めてテレビを見ていて思ったのは、
今のテレビのスピード感は今の自分には合わないなぁ、ということだった。
テレビは今の自分にとって、ものすごく「遅い」。
タレントの感想とかキャッキャ言っているのとか正直どうでもいいから、
どんどん情報を繋ぎ合わせるような番組が出てこないかなぁと思う。
それこそ、CM明けでちょっと前の場面から放送するのとかやめてくれないかな。
(その分の時間が本当にもったいない。。)
1時間番組で得られる情報はネットだったらたぶん10分くらいで済んでしまうような。。
でも、小さかったころ、高校生ぐらいまではそんなこと考えたこともなかったのになぁ。


と、この本を読み終えて社会的な身体の変化を考えているとふと思ったのでした。
ただ、言われてみればまぁ確かにで終わってしまうというのが難点と言えば難点かな。
たぶん、筆者が頭がいいからか、文章がびっくりするほど読みやすくなっているので
さらさらっと言葉が体に入ってきてしまうためにそういった感想を得るのかもしれない。
メディア論とかをちょっと勉強していた自分にとってはすごく面白い本でした。

社会的な身体~振る舞い・運動・お笑い・ゲーム (講談社現代新書)
荻上 チキ
講談社
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4 知的なネタの編集がとても巧みです