田中愼一,本田哲也「オバマ現象のカラクリ 共感の戦略コミュニケーション」

2009年発売の本だけど、なんか今さら感がある本。
オバマが大統領選で勝利するまでの流れをPR、コミュニケーションという視点から解説した本。
オバマ現象のカラクリ 共感の戦略コミュニケーション(アスキー新書)
読んでみて思ったのは、これ営業の本やなぁーと言う本。
PRの本だと思って読むと、うーんと思うけど営業の本として読むとなるほどねという感じでした。


選挙のPRとして全然知識がなかったのは事象分析・価値観分析を行い、
その結果からメッセージを立ち上げていくというところ。
事象分析とか、価値観分析とかは結果が外には出にくいだろうけど、
ありとあらゆる分野で活用できそうな感じはするけどなぁ。
日本はこういった分析がまだまだ生かされていないような気がします。
というか、外部のコンサルタントの意見を活用している感じがしないというか。
俺が一番すげーから、意見なんか聞かないよみたいな。


営業的な視点で言えば、
・間接話法で共感を得る:他人の言葉で語らせることにより、気づいてもらう
・ポジショニング:自分がどこで貢献できるか、優位な立ち位置を作る
・コミュニケーションの力を最大化:目的を持って、メッセージを構築し、伝える工夫をする
といった辺りが使えそうだなぁという感じでした。
自分が出来ていないのは間接話法で共感を得るというところかなと思います。


ただ、一番印象的だったのは最後に書かれているブランディングからレピュテーションへという部分。
広告を大量に打っていけば、そのブランドに対するイメージを定着させることは今でも可能。
ソフトバンクはCMを有効に使えている唯一の企業のような気がします。
ただ、今年の新卒採用でおかしな条件を提示したりするとSNSやブログで一気に広まり、
自分の周りがネガティブなイメージを持っていることがづぐに伝わる。
それが売上そのものにどこまで影響するのか?とかそういったことは、
まだまだデータや研究が足りていないけれどレピュテーション(評判)はとにかく速攻で広まる。
様々なステークホルダーに対して、悪い評判を広められないような姿勢が
必要になってくる時代なのかもしれません。
なんで、これがオバマの選挙本に出てくるのか?については本を読んでいただいて、ということで。

オバマ現象のカラクリ 共感の戦略コミュニケーション(アスキー新書)
田中 愼一 本田 哲也
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