ユニクロの機構改革のはなしがとても参考になる件

NIKKEI NET IT PLUSに掲載されていた
「世界一のクリエーティブ集団になる」ユニクロの勝部健太郎氏
というニュースがとても興味深い。
クリエイティブの面で尖っている企業がこういったことを行っていくことで、
他の会社も追随していくといいなぁと思うところです。
以下、気になったところを引用。全文コピーしたくなるぐらい素晴らしい。

もともとウェブを中心にプロモーションやEコマースを担当してきたのですが、マーケティング全体を統括することになりました。このマーケティングという意味合いには、ウェブだけでなくテレビCMや店頭販促物、組織的には広報・PRがやってきたことも含みます。マーケティングのコミュニケーションにまつわる部分のクリエーティブをすべて見ることになったわけです。

と組織変更の理由を説明した上で、クロスメディアを実現しやすい組織ですねの質問に

「メディアをつなげること」自体を目的にしてはいけないと思うんです。本来の目的は「より広いお客さんにリーチする」こと。これを主眼に置いたら、今回はウェブは必要でないね、ということもあるかもしれませんね。ウェブという部署があるからウェブでも何かやろうという発想は順番が逆だと思います。

 僕自身がウェブをやっていたから分かるんですが、とてつもなく近視眼的になりがちです。でも会社全体を見ながら、ウェブのポジションがどこにあって、全体としてどうやらなければいけないかを考える必要がある。

一番強いのは現物ですよね。すべての中心となるプロダクト、世界の店舗、それにコミュニケーションとしてのウェブやPRを全部つなげてまわさないといけないと思う。

目的は「より広いお客さんにリーチする」ことと本質を捉えているように感じる。
それがテレビである必要があるときはテレビを使うし、折込チラシのときはそれを使う。
組織の壁を取り払うことで全てのプロモーション手法を組み合わせて行うことが出来る。
それ以上に大きいのはブランドのマネージメントがしやすいことであるように思う。

一緒に仕事をするクリエーターとは、世界で一番を目指すということを互いにコミットするようにしているんです。例えば、世界で最高の広告賞をとるというのもひとつの具体的な目標です。

ユニクロが世界各国で展開していくなかで、やはり日本の目線では立ち行かない。日本のタレントを使ってもニューヨークでは受け入れられないようなものです。ただし世界の誰がみても満足する最高水準のものを作れば、世界のどこででも通用する。別に現地化する必要はないんです。

日本だけであればもう守りの姿勢でも今のブランド力ならば全然闘えると思うが、
世界規模でユニクロを「クリエイティブで、コミュニケーションに優れた企業」と
新たなブランドを定着させるための意欲を持っている。


組織の変更で横断的なプロモーションが可能になり、
それでも「より広いお客さんにリーチする」という本質は忘れず、
ユニクロのクリエーティブはすごいね」と言われるためのブランド戦略を持っている。
一貫性があって、すごいなと思う。
ただ組織変更をすれば機能するわけではなくて全てが一本になった状態で初めて機能するはず。
今年のユニクロもかなり注目ですね。