電通の「2008年日本の広告費」を読んで。

 媒体別にみると、新聞は12.5%減、雑誌が11.1%減だった。スポット広告が減ったテレビは4.4%減、ラジオも7.3%減となり、これら「マスコミ4媒体」は7.6%減の3兆2995億円となった。屋外広告や折り込みチラシなど「プロモーションメディア」も2兆6272億円と5.8%減った。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090223AT3K2300T23022009.html

電通がプレスリリースで出している資料を読むともっと詳しくありますね。
個人的に思ったことは…


1.たぶん2009年日本の広告費でインターネット広告が新聞を抜く
2008年、新聞広告費は8726億円で前年比87.5%。
2009年も同様の減少が起きると、7635億円。
一方、インターネット広告費は6983億円で前年比116.3%。
来年も同様の伸びを見せると7681億円(110%成長で計算)。
ということで今年出たデータをそのまま活用すれば、2009年にはついにインターネット広告費が
新聞を抜いて2位になる感じですかね。


2.減少幅が少ないのは…
インターネット広告費が成長しているのはわかっているのでよいのですが、
減少幅が個人的に見て少ないなと思ったのは、
・ラジオ広告費、1549億円、前年比92.7%
・プロモーションメディア広告費、2兆6272億円、前年比94.2%


個人的にはポッドキャストのスタート以来、音声メディアとしてのラジオは面白いなぁと思っている。
そういえば、BRUTUSの特集でラジオが取り上げられていましたね。
じゃあ、実際僕がラジオ「で」聞いているか?というとそれはあまり機会がないというのが現状。
もっと若い人たちが持ち運びやすく使いやすいラジオが出ればもう少し変わると思うのだけれども。
それこそ、パソコンで録音できるだけでもだいぶ様子が変わると思うんだけどなぁ。


プロモーションメディア費の中で下がり幅が大きいのは、屋外広告と、折込チラシと、電話帳。
電話帳はまぁ言わずもがなという感じですかね。
屋外広告はサイネージ市場がもう少し利用事例が増えてくるともう少し変わると思ってるけど、どうだろ。
折込チラシは新聞の部数が減少するとそれに応じて売上が下がるのでしょうがないような。
利用頻度が下がっている媒体(メディア)を活用して行うプロモーションメディアは
来年はさらにきつそうですね。付き合いだけで広告費出せる状況でもないだろうし。
伸びていたフリーペーパーも今年売上減少ということで厳しくなりそうですね。
フリーペーパーは広告収入が減少するとコンテンツもショボくなりがちなので、
(安い広告ばかり取ってくると、広告まみれのフリーペーパーになってしまう)
どうバランスを取れるか注目せねば。


とはいえ、何年か伸び続けていた広告費が減少したことで、
05年の広告費よりも下がってしまったので大変そうですね。

今日付けの「新文化」が講談社の赤字決算を「過去最大」と伝えている。戦後初の赤字決算は2003年だった(当期損失1600万円)。また05年の決算でも当期純損失7300万円を計上しているが、今回はその約100倍にあたる「76億8600万円」とケタが違う。
http://d.hatena.ne.jp/solar/20090223#p1

孫引き(っぽい)ですが、電通のニュースが出た日にこんなのを目にするとやべーなと思う。
赤字76億て。ヤバ過ぎるだろ。。
雑誌の広告収入はどう考えてもさらに減ることが考えられるので、
どれだけの出版社と書店が生き残ることが出来るのか正念場の年になる気がします。