岡田 朋之・松田 美佐 編「ケータイ学入門 メディア・コミュニケーションから読み解く現代社会」

大学のゼミの教授が関わっている本ですが、卒業間近のこの時期に初めて読みました。
そういえば、教授の書いているまとまった文章を読んだのも初めてかもしれないなぁ。
親不孝ならず教授不孝な学生でした。本当にすみません。
ケータイ学入門―メディア・コミュニケーションから読み解く現代社会 (有斐閣選書)
たくさん話をしたわけではないですが心の中で師匠だと思ってます。
ただ、この本の装丁はなんだかなと思います。


2002年発売の本なので、ケータイでインターネットに接続できるようになって人間関係はどうなるよ?
みたいな話が結論として出てきてそんなことが話題になってたんだなぁとしみじみ。
特に最後の章の「自閉する選択的人間関係」と「趣味縁」の話はその後のSNSなどの出現で
現実のものとなっていたりとすごい予見だなぁと思いました。


それよりも気になったのは本全体を通してマクルーハンのメディア論の引用率の高さ。
マクルーハンと言う単語が何回登場しているんだという驚きのほうが大きいです。
個人的には今は若干どころではなく、かなり敬遠されている印象のあるマクルーハンですが、
僕自身はかなり好きで、マクルーハンのメディア論はすごい楽しかったし、
メディア論の引用している本も感覚的にやっぱりいいなぁと思ってしまう。
好きな理論を使って説明しているから理解しやすいしってだけかもしれないけれど。
インターネットをグローバルビレッジと捉えるのが古いだけで、
新しい「メディア」が出現してきたときにそのメディアが
「ホット」か「クール」か、また「人間のどんな機能を拡張しているのか」といった考え方は
フレームワークとして機能しているのかなと改めて認識しなおしました。


ケータイがある環境とない環境の間の子で育った自分としては、
「あぁ、なるほどねぇ」と思う部分と、「それって普通じゃない?」と思う部分とが
3:7ぐらい(比率は適当ですが)である本だったように思います。
もっと早く読んでおけば、今よりももっと教授のことをすげーと思ったのかなぁと不思議な気分になりました。

ケータイ学入門―メディア・コミュニケーションから読み解く現代社会 (有斐閣選書)

有斐閣
売り上げランキング: 214417
おすすめ度の平均: 4.0
4 一つのメディアとしてのケータイ
4 なるほどなぁ