鳩山発言が使われた3つの理由と足りない要素

昨日の代表質問で、民主党鳩山幹事長が演説。

中日新聞によると

 質問のトップに立った民主党鳩山由紀夫幹事長は、
政府・与党が新テロ対策特別措置法(給油新法)を衆院で再可決し、成立させたことに対し
「軽々しく再可決を行うのではなく、衆院を解散して民意を問うべきだった」と主張。
「与党にあるのは、政権から転落することへの恐怖と焦燥感だけだ」とし、
「日本に活力を取り戻すためには、民主党政権の樹立しかない」
と早期の衆院解散・総選挙を要求した。
http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2008012102081220.html

だそう。
朝のワイドショーでは、「民主党政権の樹立しかない」の場面が使われてました。


テレビで発言が使われるには3つの条件があると思います。
それは、わかりやすいメッセージ・話題性・短いセンテンスです。


今回の事例では、
・「民主党政権を樹立したい」というわかりやすいメッセージ性
・(メディアが煽っているからかもしれないが)、衆議院解散という注目されている内容
・「日本に活力を取り戻すためには、」「民主党政権の樹立しかない」
という2センテンスながらいずれも短いセンテンスでした。


特に、短いセンテンスは「サウンドバイト」の視点からも非常に大事です。
サウンドバイトとは、一つ一つの発言の塊のことです。
テレビでは放送時間の制限と編集の問題から、話す言葉のセンテンスが長いと
編集がしにくいため放送されにくくなるそうです。
小泉さんはこのことを知ってか知らずか、一言コメントを繰り返しテレビにたくさん出たのは有名な話です。
今回の鳩山さんは、「日本は〜」から流しても、「民主党政権〜」の部分から流しても意味がわかりやすく、
非常にいいフレーズだったと思います。


ただ、残念だったのは演説のこの部分で原稿を見るためか下を向いていたこと。
議員が原稿見て読んでいるのは知っていても、大事なフレーズで顔を上げているかいないかでは
印象が大きく変わります。
僕が、民主党の広報担当だったら演説のこの部分を暗記させ、
さらに民報のカメラの位置をしっかりと調べ、カメラ目線になるように話す練習をさせます。
カメラ目線になることで、視聴者は自分に向かって話かけてもらっている印象を受けるからです。
これも、アメリカの大統領選挙の事例で有名なところです。


ということで、今度からはテレビで使いやすい発言と併せて、
目の視点にも気をつけるといいのかなと思う、今日この頃です。


参考文献
世耕弘成、「プロフェッショナル広報戦略」、ゴマブックス
高木徹、「戦争広告代理店」、講談社文庫