THE STONE ROSES LIVE@フジロック‏

フジロック・フェスティバル'12が7月27日から29日まで苗場スキー場で開催された。
初日金曜日のヘッドライナーを務めたのがTHE STONE ROSESである。

彼らは1996年に解散したが、昨年15年ぶりの再結成を行うことを発表した。
解散前に出したアルバムはわずか2枚だが、世界に与えた影響は絶大で、
数多くのフォロワーがその影響を公言している。


再結成のライブというのは難しい。
ファンの頭の中ではこれまで行われたことがない素晴らしい演奏が繰り返され、
期待値だけが尋常ではないほど膨れ上がっている。
結果、脳内で演奏された素晴らしいはずのライブと、現実との比較を迫られる。


見渡す限りどこまでも森と芝生が続く苗場スキー場にも関わらず、
朝8時の東横線の車内かと思うほど人が密集した状態でライブが始まった。
一曲目の「I Wanna Be Adored」からボーカルが全く聞こえない程観客が大合唱していた。

僕の脳内で演奏していたTHE STONE ROSESを上回る瞬間もあれば、
残念ながら下回り、調子が悪いのかなと感じる場面もあった。

ただ、段々とパフォーマンスの良し悪しよりも、
このバンドがフジロックで演奏することそのことについて考えていった。

今までこのステージで演奏した多くの英国出身のバンド、
OASISPrimal ScreamやThe Music等が鳴らしていた音の原型を聞いてとることができ、
様々なバンドのパフォーマンスが頭の中でフラッシュバックしていった。

彼らは期せずしてここまでのフジロックの歴史を総括する役割を担っていた。


最後の曲が終わりメンバー4人が抱きあった瞬間に、
後方から「ヤバい!ヤバい!もう死んでもいい!」と叫ぶ男性の声が聞こえた。
その声を聞いた人々は思わず苦笑いしたが、みな同じ事を思っていたことだろう。