マイバックページを見た!

妻夫木聡松山ケンイチが主演のマイバックページを見てきました。

http://mbp-movie.com/
1970年代の学生運動後に、学生運動で一旗上げようとする梅山(松山ケンイチ)と、
学生運動で何も出来なかった後ろめたさを抱えながら記者として働く沢田(妻夫木聡)の
青年二人が主人公の物語。
と聞くとなんだか堅そうで、難しそうな話に見えるのだけれど、
非常に現代にも通じるテーマを含んでいるように思いました。


実際、話としてはやはり地味で派手なシーンがあるわけでもないのだけれど、
青年が自分たちの自意識によってジリジリと追い詰められていくシーンの連続で
約140分を引っ張っていく。


なんでこの人達はこの何もない感じで自らを追い込んでいけるのか、
なんでこの人達は自分たちが主役になれると思うのか、
見ている最中この二つのことを常に疑問に思いながら見ていました。


見ている最中に思い浮かべた映画は今年公開された「ソーシャルネットワーク」でした。
ソーシャルネットワークは天才が自分の才能をむき出しにした結果、
何かを失って成し遂げた話だとすると、
マイバックページは天才になりたかった青年が自分の持ち得る最大のハッタリをかましても
何も成し遂げられなかった話。
当たり前のことですが、マイバックページのほうが自分としては共感できる感じでした。
見ていて、「痛い痛い。。」っていう感じでした。


革命によって一旗上げようとする梅山は、革命を行うにも関わらず
思想的なバックボーンも軸もない状態で本人の凄みとハッタリで切り抜けていく。
その様子を見ながら、いつかのベンチャーブームの話とか、
今のソーシャルメディア界隈の盛り上がりとかを思い浮かべたりしました。
いつの時代も、流行りものにのって背景に対する理解とか思想的な軸がなく、
活躍したいと願う人達はいるのだなというなんとも当たり前のことを思ったりしました。
そういう意味では、今の状況をみて、「お前なあ」みたいな苦言を呈しても、
ブームが終わるか、関係者が痛い目見るかしないと終わらないのだろうなと思いました。


映画と関係ない分野をいきなりディスってしまいましたが、
映画は大変素晴らしいです。
レビューとかを見ると、よくわからないって書いている人たちがいて、
評価があんまり高くないのが、ものすごく残念です。。
最後のシーンはかなりグッときました。よいです。