ソーシャル・ネットワーク見てきた!

昨日、映画「ソーシャル・ネットワーク」を試写会で見てきました。

原作の「facebook 世界最大のSNSビルゲイツに迫る男」のドライブ感を
あまり損なうことなくうまく伝えられたいい作品なのではないでしょうか。
おそらく、原作と大きく違うのは、ストーリーの組み立てが
弁護士を交えた話し合いでの証言を中心に組み立てているところでしょうか。

なので、原作を読んでいなくて、かつfacebookに関する知識、
それもfacebookの歴史的なことを知らないと序盤意味不明なシーンがいくつか出てきてしまうように思います。
意味不明な理由は、この映画はたかだか3〜4年ぐらいの出来事なので、
登場人物の年齢も見た目も全く変わらないのに、
「大学生活」と「弁護士を交えた話し合いの場面」が切り替わるため結構え!?となります。
この急な展開は主人公のザッカーバーグの気持ちを表しているのかなと思うので
結構大事な切り替えなんだろうなと思います。
「自分はただfacebookを成長させてきただけなのに、なんでお前らそんな変わってしまったの?」と。
そのため、ザッカーバーグはネクタイはしているものの、超ラフな格好でいて
対する元パートナーや、言いがかりをつけてきた兄弟たちはものすごいキチッとしているのが印象的でした。
この辺りの対比からギークVSスーツだとかいろいろ言いたい人がいるんでしょうが、
まあその辺は技術系の人たちが「スーツざまぁww」とか言って、たくさん語ってくれるんでいいでしょう。


僕はこの映画は友情に関するいい映画だなぁとしみじみ思いました。
見る人が見れば本当に嫌なやつに映るザッカーバーグ
その彼が、唯一の友達であるエドゥアルドに対して取る行動と
途中からビジネスパートナーになるショーンに対して取る行動が少しではあるが違う。
これが自分的にはかなり刺さりました。


ザッカーバーグにとって、facebookは自分の命であることを劇中でも熱く伝えるシーンがあります。
自分の思想、技術、時間の全てを注ぎこんで成長させてきたfacebookにそこまで思い入れを持つのは
それは当然のことかなと思います。
そのfacebookに対して彼のパートナー達はミスや感情のコントロールが原因で
マイナスとなることをいくつかしてしまいます。
最初のパートナーであるエドゥアルドはあることをすることでそのfacebookを殺しかけます。
また、途中からザッカーバーグのビジネスパートナーとなるホワイトはあるパーティーの後で
facebookの評判を著しく下げるある行動を行います。
また、エドゥアルドもfacebookの評判を下げかねない行動をfacebook初期に取るのですが、
この3つの出来事に対してザッカーバーグが取る対応がそれぞれ違う。
ビジネス的に信頼というよりもはや尊敬までしていたショーンには限りなく冷徹な態度を取るが、
エドゥアルドに対しては友情を出来るだけ壊さないような努力を行う。


「お前それ言ったらダメだろ!」ということを気にせず言ってしまうザッカーバーグ
一緒に何かをすることになればマジかよと思うことが多いのだと思います。
ただ、その彼が最後まで維持しようとしていたのが友情であり、愛情であるというのがとてもよかったです。
映画を観ている最中は、それぞれがfacebookというモンスターを成長していくにあたり大事にしているもの、
またそれぞれが自分のことをどう思っているだろうか?という思い込みから起こす行動により
崩壊していく人間関係に目が移りがちだったのですが観終わった後でこのことに気がつき、
ザッカーバーグいいやつだなという感情がふつふつと湧いてきた感じです。
とはいえ、インタビュー読むとフィンチャー監督は必ずしもこういった考え方をしているわけではないようなので、
違うのかもしれないですけども。


見る人が見れば、「起業するとこうなるのだな!ビジネスに活かそう!」みたいな、
なんでも仕事に活かそう視点で観てしまってなんか辛いのですが、
お金をかけて、時間をかけて作っている映画が、
そんな自己啓発みたいなもののために作られているわけがないので
フィンチャー監督がこの題材を選ぶことで何を伝えることが出来ると考えたのか、
捉えていければいいなあと思いましたがなかなか難しい。


とはいえこの映画は、一人の青年が自分の存在証明をするために自分の青春の全てをかけた姿を描いた素敵な映画です。
これがスポーツであれば感動して、プログラミングになると「えー??」となるのは
ただの偏見と差別だと思います。
アカデミー賞とかもおそらく取ると思うので観に行くべき映画としてオススメできます!