「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」見てきた。そして行く前のおススメ。

渋谷にて「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」見てきました。

http://www.sonypictures.jp/movies/michaeljacksonthisisit/
マイケル・ジャクソン初心者な自分ですがいろいろ思うところがありましたので感想を。


実は見終わった後この映画のコピーの「誰も見たことのない彼に逢える」という言葉に
ものすごく怒りを覚えてしまいました。
僕が今まで知っていたマイケル・ジャクソンは主に日本のワイドショーから流れていた情報だけでした。
だから、彼の曲もロクに聞いたこともない状態で、
自分の子供を窓から投げようとしたパフォーマンスや
幼児に対するわいせつ行為を行ったとかの裁判の話や
顔の整形だの話とか音楽とは一切関係ない話ばかりでした。
大したリテラシーも持っていなかった僕は頭の中で「マイケル・ジャクソン=変な人」というイメージが
根強くついていました。
これは今になってみれば大変恥ずかしい話なのですが、
中学の英語の授業で「We Are The World」を歌うことがあって、
PVを見たときに当たり前だけどマイケルでてくるんですよ。本当に当たり前ですけど。

でも、そこで無知な僕はあの変な人もポール・サイモンとかと一緒に歌ってるわーとか思ってました。
本当にそれぐらいねじ曲がった認識を与えるぐらいあの当時の報道はひどかった。


要はこの映画を見たときに一番思った感想は「マイケルってめちゃくちゃいい人じゃん!!!」ということでした。
誰も見たことがなかったのは、マイケルの本質の部分を伝えずにセンセーショナルな部分というか、
上澄みの部分だけ伝えていた日本のマスコミのせいなわけで、
僕は映画を見ている途中からすごくプンスカしてしまいました。
映画のラストでマイケルがライブを一緒に行うメンバーに話す場面があるのですが、
いやー本当にいい人だなと思いました。
アメリカ独特の表現だと思いますがファミリーって言葉を使うんですよね。
本当にいいものをみんなで協力して作り上げていく。その感じがすごく伝わるいい場面だと思います。


この映画はドキュメンタリーでもなければ、ライブ映像でもない。
ライブ映像っぽく作られたリハーサルの映像のつなぎあわせ。
だから、マイケルの発言がたくさん出てくるわけでもないし、
途中は本当にリハーサルの映像がひたすら流れているだけ。
見方によってはこんなの映画じゃないよって話もあると思うけれども、僕はいい映画だと思いました。


ただ、そういう構成ではあるのでできる限りマイケルのことを知っていたほうが楽しめます。
曲もたくさん知っていたほうが楽しいし、マイケルの人生について知っておいたほうがいいこともあるかもしれません。
行く前にはTBSラジオでやっている「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」で放送された、
「メイン・ストーリー・オブ・マイケル・ジャクソン」を聞いてから行くと深く楽しめるかなと思いました。
約1時間で一通りのことが学べます。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2009/07/post_479.html
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2009/07/post_480.html
映画の中でジャクソン5の曲を歌う場面で兄弟と母親への感謝を伝える瞬間があるんだけれども
このポッドキャストを何度も聞いていたことでちょっと感動しました。


紹介したポッドキャストの中でも言われていることなんだけれども、
マイケルってのはジャクソン5時代にビートルズとかとチャート上で戦っていたような人なんですよね。
本来はここまで過剰な期待をされるような年齢でもキャリアでもないわけです。
ワイドショーで知ったかぶりをしている人が今でも踊れるんですかねぇみたいなことを言っているけれども、
本当はちょっと動いてるだけでも満足していいレベルの人なんだと思う。
理由はわからないけれど異常なまでの期待をされてしまっているマイケル。
また、観に来るお客さんに体験したこともないようなパフォーマンスを見せたいと考えているマイケル。
この映画を見れば、マイケルの凄まじさに舌を巻くことは間違いないです。
動きのキレが半端ない。腕の一振り一振りがすごくカッコいい。
あれだけ激しく動いて歌っても歌がヨレない。そしてすごい声量。
はっきり言って、リハーサルですらすごいパフォーマンスです。


この映画を見れば誰もがロンドンの公演が行われていたらなぁと思うと思います。
それだけはもう叶わないわけですけれども。
今までOff The WallとThrilllerとBADしか聞いたことがなかったのでこの際改めて聞いてみたいと思います。
イマイチまとめきれていませんが、すごく楽しめる映画でした。
Billy Jeanはやぱり名曲でした。流れた瞬間ガッツポーズしたくなりましたけど映画なので自重しました。
ライブを楽しみに行く感覚で行くとすごく楽しいと思います。
そういう意味では大きい映画館でかつ、音がすごくいいところだと最高の映画体験かもしれません。